苫小牧で故障して走行不能となり、12日間も保管された後に千葉の工場まで輸送されきたうちのADRIAだが、修理期間と修理費用がどのくらいかかるかが懸案だった。
故障内容によっては修理代が50万円~100万円以上になるとの話もあり、交換部品が日本に在庫が無い場合には修理期間が長くなることもあるとの事だったので心配していたのだが、意外にもADRIAが北海道から帰ってきてから、中7日間で修理完了との連絡を貰った。
結果的には、「セレスピード」の「アキュムレータ」の故障だった。
デュカトのセミオートマチックは「デュアロジック」ではなく、「セレスピード」と呼ぶそうだ。FIATの中で500や500Xでは「デュアロジック」と呼び、Alfa-Romeo系では「セレスピード」と呼ぶそうだが、デュカトは「セレスピード」となるようだ。いずれにしても、マニュアルトランスミッションを機械的に自動化するトランスミッションで、FIAT車の弱点となっている。しかし、基本はマニュアルトランスミッションなので、加速の時や登坂時に滑り感が無く、”直結”されている感触が良かった。ゆっくりと減速して停まる時のシフトダウンの音はなんとも心地が良い。また、強いエンジンブレーキが得られるので、急な坂道を下る時には安心だ。
そんな長所も多い「セレスピード」だが、マニュアルトランスミッションを機械的に自動化する制御が難しいのと、「セレスピード」の作動油の圧力が、50Bar(約50㎏f/cm2)と高圧な為に、この「アキュムレータ」の故障が多い欠点がある。25,000km~49,000kmが寿命のようだ。
「アキュムレータ」とは蓄圧器といい、液体の圧力エネルギーを 気体の圧力エネルギーに変換して蓄えておくもので、圧力保持、脈動吸収、衝撃緩衝などの役割を果たすそうだ。下図のように、高圧容器の中にゴム風船が入っているような構造をしているらしい。
作動油の圧力が50Bar(約50㎏f/cm2)と高圧なので、「アキュムレータ」内のゴムにも50Bar(約50㎏f/cm2)が掛かっていることになる。タイヤの空気圧の10~20倍もの圧力が掛かるのだから、それは故障が多いのも仕方がないだろう。
デュカトの「セレスピード」には、「アキュムレータ」以外にも「ソレノイドバルブ」が4個付いているのだそうだが、それら「ソレノイドバルブ」には異常が無かったとの事だ。苫小牧の日帰り温泉で動けなくなった際に、ジタバタせずに諦めたので、「アキュムレータ」の故障だけで済んだのではないかとのことだ。
修理完了の電話を貰った翌日、早速ADRIAを受取りに行き、駐車場に転送してもらった。正常に走行しているADRIAを見て安心したが、あんな黒い小さな部品がひとつ故障しただけで、走れなくなってしまうというもの困りものだ。
運転席の表示パネルを確認すると、1速に入っている。👍
もちろん、Rにも入る。😁
このあと、近くのショッピングモールまで試運転をした。問題無し!
無事、元通り車庫に駐車完了! これで、一段落だ。
懸案だった修理費用は、部品代と技術料を合わせて、13~14万円で済んだ。苫小牧から千葉までのフェリーを使っての輸送費用は約70万円掛かったが、これは保険適用され自己負担は無かった。レンタカー代と函館でのホテル代、数万円強が自己負担となった。
新型デュカトの9ATは「セレスピード」では無いが、それはそれで色々あるようだ。正規輸入デュカトならば北海道内で修理が可能かどうか、一度確認してみたいと思う。
北海道に限った事ではなく、特に走行できなくなるような重故障の場合、故障した場所の近くで修理が可能であることの重要性を痛感した。
無事修理が終わって何よりです。
こういう肝部品は最低でも10万キロくらいの耐久性が欲しいですね。
ボクの車も42,000キロ超えたのでそろそろやばそうです。
転ばぬ先の杖、事前交換が吉ですかね。
日本の感覚だと、10万キロは軽くもって欲しいですよね。
または、二重化するなどして欲しいですね。
42,000キロはそろそろヤバいかもしれません。
遠くに出掛ける前に、セレスピードオイルの交換と合わせて、交換するのが安心かもしれませんね。