朝食は軽く済ませて、昼前に「湯川ふるさと公園」を出発した。明日は「北軽井沢スウィートグラス」でキャンプの予定なので、「デリシア」で食材を買い出しをして、いよいよ「魚籠屋(びくや)」に向かった。
軽井沢から榛名山に行くのに、最短距離を選択して碓氷バイパスを下るルートを選んでしまったが、遠回りになっても北軽井沢を経由して榛名山に向かうルートにした方が良かったかもしれない。距離は短いが標高差が大きくて運転が大変だった。少し遅くなって、「魚籠屋(びくや)」に着いたのは13時半くらいになった。
「魚籠屋(びくや)」を知ったのは、2021.09.26に放送された、テレビ東京「タクシー運転手さん 一番美味い店まで連れてって」という番組を偶然観たからだ。その中で「魚籠屋(びくや)」の歴史や、ご主人の経歴まで細かく紹介されていて、それ以来気になって仕方なかった。やっと訪問することができた。
駐車場にADRIAを余裕で駐車することができた。
建物から煙が上がっているが火事ではない。囲炉裏の煙が立ち昇っているのだ。建物全体が燻製されているような感じだ。キャンピングーカーの先客がいた。その他にはバイカー数人がちょうど店を出てきたところだった。
店に入ると、囲炉裏が土間の中央にドーンと鎮座している。
店内に岩魚の生け簀がある。
達磨ストーブも置かれていて何とも雰囲気が良い。
コース料理は前日迄に予約が必要だが、「深山コース」を予約してあった。「魚籠屋(びくや)」の主だった料理がコースになったものだ。
先付 即興創作
前菜 山菜等のおつまみ盛り合わせ
お造り 岩魚姿造り
焼物 岩魚焼もの + 猪豚串焼き + 季節創作
香物 お新香盛り
揚物 山菜天麩羅盛り
もり蕎麦
口直し 季節の果物など
レトロな石油ストーブがこれほど似合う建築は他にないだろう。
座敷から見える店内の様子で大興奮になった。
店内も煙っている。
引き戸は燻されてツヤツヤになっていて、何とも言えない色合いだ。
先付け。この日採れた地元の山菜のおひたし。
前菜 山菜等のおつまみ盛り合わせ。オレンジ色のツブツブしたのは岩魚の子だそうだ。
お造り 岩魚姿造り。岩魚の刺身は珍しい。川魚の刺身自身が珍しい上に、刺身にできるサイズの岩魚は普通では手に入らない。さらに、この日は平日で他にお客さんが少なったので、半身をタタキに仕上げてくれた。酢で少し〆てから、わさび醤油で食べるように勧められる。先日釣りに行ってニジマスの刺身を食べたばかりなので、違いが良く分かった。身が柔らかく甘味があり別格に美味かった。
季節創作として、燻製の盛り合わせ。地鶏、地元の豚、猪豚、岩魚の燻製で、建物の裏側の燻製所で手作りしたものだそうだ。地元の豚と猪豚の油の味わいの違いを味わった。
焼物 岩魚焼もの。頭からしっぽまで全部食べられるとの事だが、根っからの魚好きではないので一瞬躊躇した。しかし、胸びれ、背びれ、尾びれが形良く焼けていて見るからにうまそうだ。小ぶりなサイズなので、一口に頭からガブッと行く。エビの頭の天婦羅のような、カサゴのから揚げのような感触で香ばしく美味い。それと同時に身がフワフワとして塩焼きの美味さがしてくる。なんという美味さか!どうしたらこんなに焼けるのか?感動して二口くらいで、しっぽまで食べてしまった。わざわざこんな山奥まで人が大勢訪れる理由が解かった。ご主人に伺ったところ、炭でなく薪を使って焼いているそうだ。それと、囲炉裏の中の灰の形にコツがあるそうだが、真似ることなどできる訳がないと思う。
焼物 猪豚串焼き。油がさらりとしている猪豚の味噌焼き。
香物 お新香盛り。全て地元で採れたものを手作りしているとのこと。梅干しは甘味と酸味のバランスが絶妙で特に美味しかった。
揚物 山菜天麩羅盛り と もり蕎麦。近所で採れた山菜だそうだ。最近はそばが有名になって、そばだけを食べにくるお客さんも多くなったとの事だが、そば屋での修行はしたことはなく、地元のそば打ち名人のおばあちゃんに教わっただけだとのことだった。榛名山で今年採れた新蕎麦。蕎麦に添えられているのは、紅ショウガでは無く、梅干しのウメ酢で大根を漬けこんだもので、これも大変美味しかった。
口直し 季節の果物など。
本当にお腹がいっぱいになった。月曜日で他にお客さんが少なかったので、ご主人とお話できたのが良かった。9月26日の放送以降お客が押し寄せて大変だったそうだ。この土日も混雑してバタバタしていたとのこと。
手作りの梅干しが美味しかったと言ったので、お土産に梅干しを沢山頂いた。それと、大根を漬けたらいいよとウメの漬物も大量に頂いてしまった。ありがとうございました。容器に移し替えて、じっくりといただきます。
春になると、山菜の種類がガラッと変わるそうだ。GWはお忙しいと思うので、GW明け後の平日にまた来ますと言って、大満足で「魚籠屋(びくや)」を後にした。
その後は、日帰り温泉に近く、「北軽井沢スウィートグラス」へ行く途上になるので、「道の駅八ッ場ふるさと館」で車中泊することにした。驚いたことに、大規模にイルミネーションがされていた。こんな中で車中泊するのは初めてだったが、21時には消灯した。
ところで、このLEDは税金で点灯しているのだろうか。