今更で目新しいことではないが、EcoFlowポータブル電源RIVER Proと専用エクストラ電源、EcoFlow 160Wソーラーパネルを購入したので、簡単に使用感をまとめておきたい。災害時の電源確保も目的なので、併せて自宅のソーラー発電システムで充電できるかどうかの検証を改めて行ってみた。
キャンペーンの始まる数日前にポチってしまったので、3万円くらい割高購入となってしまった(と愚痴っておく)。
購入目的は、
- 災害時の電源確保
- ADRIAの予備電源
- 自家用車用の電源
主な仕様は、
- 容量:720Wh
- 出力:600W(Max.1200W)
- 重量:7.2kg
- 専用エクストラ電源(720Wh)を接続して容量1440Whになる
- 高速充電が可能
- AC充電にアダプターが不要(ケーブルのみで可)
他に多くのポータブル電源がある中で、EcoFlow RIVER Proを選んだ理由は、重量を含むサイズ感と拡張性(エクストラ電源を接続すると1440W)。あまり大きくて重い電源は持ち運べないのと、1000Wh以上の容量が無いと実用的ではないと思ったからだ。ADRIAに積むリチウムイオンバッテリーは、400Ahで約5000Whの容量である。経験的にざっくりと4日間は使える感触であるので、一日で1000Wh強が目安かと思う。
輸送梱包を外すとこんな感じで、パッケージのデザインは凝っている。
RIVER Pro本体と専用エクストラ電源を並べたサイズ感はこんな感じで、本体だけをバルコニーで使うのもちょうど良い。
EcoFlow 160Wソーラーパネルはこのように、質感が良い収納袋に入っている。この収納袋はパネルを傾斜させて設置する際にも使えるそうだ。
とりあえず、バルコニーにある物置の屋根の上に設置してみた。
注目していたソーラー充電の性能については、上記写真程度の日射があれば、実効110W程度発電が可能だ。全くの感覚的評価で恐縮ながら、日差しは無いが薄っすらと晴れている時が80W程度、曇り空で40W程度、夕方の暗くなりかけた時間で10W程度ということが判った。RIVER Pro本体720Whを満充電するのに晴天の日で6.5時間程度となる計算だ。
これでは、災害時には運用が微妙だなと考えていたら、自宅の屋根にソーラー発電パネルがあることを思い出した。
自宅のソーラー発電システムは下図のようになっている。建築した際にバッテリーの設置も考えたが、技術の進歩が激しい時期で価格も高価だったので、ソーラーパネルの設置のみで、バッテリーの設置は見送った。発電した電力は家庭内で使用し、余剰分は売電できるようになっている。停電時には発電した電力を専用のコンセントから最大1500Wまで使用できるようになる。
①太陽電池、②接続箱、③パワーコンディショナ、④屋内分電盤、➄家庭内のコンセント、⑥電力量計、⑦電力会社の送電線
出典:東芝パワーコンディショナー取扱説明書
③のパワーコンディショナは納戸の壁に付いているが、今まで操作したことは無かった。運転モードは2つあり、言葉がややこしいが、それぞれ以下のようになっている。
- 連系運転モード:通常時
- 自立運転モード:停電時
今回、シールを貼って分かり易くしておいた。
この日は小雨の日で、発電量は0.16kW(160W)しか無い。屋根に乗っているソーラーパネルは2kW仕様なので、雨の日でも160Wは発電しているとも言える。
➄の停電時の専用コンセントは冷蔵庫の使用を想定して、キッチンの片隅に設置してある。今回、テプラで表示をした。
”連系運転モード”でのパワーコンディショナ用表示ユニットの表示は以下のようになっている。家庭内で1.6kW消費していて、ソーラーで0.2kW発電して、残りの1.4kWを電力会社から購入しているということを示している。
この状態で照明器具を接続して、停電時の専用コンセントには電力が出力されていないことを確認した。
“連系運転モード(通常時)”から”自立運転モード(停電時)”に変更する手順は以下のようになっている。
- 太陽光発電用ブレーカ(分電盤の中に設置されていた)をOFFにする。
- パワーコンディショナの運転スイッチをOFFにする。
- パワーコンディショナの運転スイッチをONにする。
パワーコンディショナ用表示ユニットの表示は以下のように変わる。全てゼロ表示となって、左上のLEDもオレンジ点滅になる。
”自立運転モード”なると専用コンセントに電力が出力されていることを照明器具が点灯したことで確認できた。
さあそれでは、いよいよEcoFlow Proを充電しようというになったのだが。。。入力電力が次第に上がっていき、発電W数を上回った段階でリセットされてしまい継続して充電できないことが解かった。600Wで充電しようとしているのに、発電が200W程度しかないので、充電できないのであろう。
そこで、携帯アプリから「静音充電」をONにしてみた。「静音充電」モードでは110Wで充電される。1/5の電力で充電され、5倍の充電時間がかかるモードそうだ。このモードでは、無事充電することが出来た。
シガーソケット充電入力は以下のように、4A、6A、8A、10Aと選択できるようになっている。
AC充電時にも、通常(600W)、静音(110W)だけではなく、100W、200W、300W、400W、500W、600W等と何段階かに設定できるようになれば良い。
後日、晴天の日に充電テストをしてみた。1.4~1.7kW(1400~1700W)程度発電している。以下の画面は1.4kW発電して、1.3kWを消費して、0.1kWを売電していることを示している。
以下のパワーコンディショナの表示では、1.64kW発電している。
静音充電モードでは110Wで充電されていることが分かる。71%から満充電まで4時間となっている。
その時のパワーコンディショナの表示は0.13kW(130W)で、負荷に合わせて出力が落ちている。
通常の充電モードに戻すと、603Wの高速充電で充電するようになった。その時には80%から満充電まで46分となっている。ゼロから1440Whまでの充電に要する時間は、3.8時間という計算になる。これなら半日で満充電となるので、停電時の運用も可能ではないかと思われる。1440Whあれば、700Lクラスの冷蔵庫だけならば、16時間動くそうだ。
パワーコンディショナの表示は0.69kW(690W)で、負荷に合わせて出力が変動している。
因みに、”自立運転モード(停電時)”から”連系運転モード(通常時)”に戻す手順は以下の通りだ。
- パワーコンディショナの運転スイッチをOFFにする。
- 太陽光発電用ブレーカ(分電盤の中に設置されている)をONにする。
- パワーコンディショナの運転スイッチをONにする。
EcoFlowポータブル電源RIVER Proの主に充電性能について評価してみたが、実用域に達しているのではないかと思った。建築時に蓄電池を付けなくて良かったと思う。蓄電池システムの開発速度は、これから更に加速されるに違いない。
12kWもの大容量なEcoFlow DELTA Proの先行予約が昨日始まった。スマート発電機を含むシステムで画期的だ。EVステーションで充電できたりするようだ。非常に楽しみだ。
ただ、ポータブル電源関連の企業の中に日本の企業がいないのが残念である。10kWあたりの容量からは、UPSを作っている日本のメーカの領域と重なってくが、果たして、この辺りのニーズに気が付くだろうか?