大腿骨頭壊死症(レッグペルテス病)その2

精密検査の結果は出たものの、一見すると元気そうなノエルを見ていると、敢えて手術を受けさせることに踏ん切りがつかなかった。12月に精密検査を受けて以降、年末年始やら、リオンを新たに迎えたり、成人式やADRIAの納車やらと忙しかったのもあるが、何と言っても大腿骨頭切除という手術の重大さから決断ができないでいた。

「大腿骨頭切除術」というのは、下の写真で青色線で示した箇所で大腿骨の丸い部分(骨頭)を切り落とす手術だ。人に置き換えて考えてしまう。支点が無くなってしまうのだから、足の位置が保てなくなってしまうに違いない。人工関節を入れなくて良いのだろうか、などなど心配で仕方がない。しかし、犬の場合は四つ脚であり、少し違うようで、「偽関節」というのができあがり関節と同じように支点ができるという。

決断できない状態で時間を浪費していたところ、かかりつけのクリニックの先生から一日も早く手術を受けるべきだと、強く勧められた。大きな手術なので、カラダに与える負担も大きく、年をとれば取っただけリスクが増す。人間だって、子供の骨折はすぐ治るが、年を取ってからだと時間がかかるというのと全く同じで、犬の場合はさらにその影響が大きいとのこと。

そんな時、ペット業界で仕事をしている知人から、「YPC東京動物整形外科病院」を紹介された。この知人は虐待を受けていた犬を引き取って飼っている。知人が引き取った時には、脱臼を放っておかれて酷いことになっており、骨と筋肉を外す大手術を受けた。この大手術を成功させたとのことで強く推薦を受けた。この病院でも検査を受けたが、診断結果は同じ。

人工関節の手術も可能だったが、入院期間が長くなること、接着剤をカラダに入れることのリスク、小型犬の場合は人工関節を埋め込むことにより骨が割れてしまうリスクがあるとのことで、人工関節手術は選択しないで、実績の多い、骨頭切除術を選択した。

都合のいい日を指定することになった。それでも、笑顔で走っている、走れているノエルに手術をしたら、走れなくなってしまうのではないかという気持ちは消えず、手術を受けさせるのは気が進まなかった。

その日の夜、散歩をしている際にノエルを見ると、寒かった影響もあったのか、殆ど悪い足を付くことなく、3本足で歩いていた。ノエルは痛みに強い。注射で鳴き声を上げたことも無い。それなのに足をつけないのは、きっと痛いのだと思った。やはり、進行しているのだと覚悟ができた。手術する事に決めた。

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